こんにちは。放射線などについて分かりやすく解説している大地(だいち)です。
初回の記事として、
・「原子」という言葉は聞いたことがあるが、何か分からない。
・原子の基本的な構造を知りたい。
こういった疑問に答えます。
○本記事の内容
- (最初の一歩)原子を構成する3つの「子」
- 原子とは
- 陽子とは
- 中性子とは
- 電子とは
- まとめ
この記事を書いている私は、2011年の福島第一原子力発電所の事故の後、除染や中間貯蔵施設の管理など、継続して放射線の分野での業務に従事してきました。
その間、働きながら大学院に通い(いわゆる社会人ドクター)、放射線の分野で博士号を取得しました。
こういった私が、解説していきます。
(最初の一歩)原子を構成する3つの「子」
原子の一例を下の図に示します。
これはヘリウムという元素の原子の構造で、原子は陽子、中性子、電子から構成されています。
原子の中心に陽子と中性子があり、これを原子核と言います。
そして原子核の周囲を電子が回っている、というイメージです。
原子の基本的な構造(ヘリウム原子の例)
原子と、それを構成する3つの「子」:陽子、中性子、電子について以下で解説していきます。
原子とは
簡単に言うと、原子とは、各元素(H:水素、He:ヘリウム、Li:リチウム、、、)の最小単位です。
元素はこれ以上、細かく分解することができません。
ちなみに、上に示した図の縮尺は実は正確ではありません。
原子の大きさは約10−10mですが、その中心にある原子核の大きさはその約10万分の1(10−15m)なので、その間はかなりの空間が広がっている(スカスカ)、とイメージです。
原子と原子核の大きさの違いは、仮に原子の大きさが野球場くらいあると仮定すると、原子核の大きさはその中心にある1円玉やビー玉などと同じくらい、と良く説明されます。
陽子とは
陽子は原子核を構成する物質です。
質量は約1.6×10−27kgで、正の電荷を有しています。
ちなみに、陽子の数が原子番号であり、これで元素の種類が決まります。
前述した図のように、陽子が2個ある原子の原子番号は「2」で、「ヘリウム」と言う元素である、と定義されます。
中性子とは
中性子も陽子とともに原子核を構成しています(陽子と中性子を合わせて「核子」と言う場合もあります)。
中性子は、陽子のような電荷は有していません。
質量はごくわずかに陽子よりも大きいですが、ほぼ同じです。
陽子や電子とは異なり、電荷を有していないので、原子核から外に出て他の物質と衝突するまでは、電気的な影響を受けないため、ほぼ直進的な動きをします。
ちなみに、陽子と中性子を足した数を質量数と言い、前述した図のように、陽子が2個、中性子が2個あるヘリウム原子の質量数は(2+2=)「4」となります。
電子とは
電子は原子核の外の軌道上にあります。
質量は陽子のおよそ1680分の1で、負の電荷を有しています。
通常は、陽子の数と同じ数の電子があるので、原子全体としての電荷は0になっています。
これに電子が追加されたり、欠損したりすると「イオン」と呼ばれる粒子になります。
まとめ
放射線のことを理解するための最初の一歩として、まずは原子の構造についてごく簡単に解説しました。
今後、放射線に関する記事を書いていきますが、この知識が全ての基礎になるので、まずはおさえていただければと思います。
本記事の英語版はこちらからご覧いただけます。
というわけで今回は以上です。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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